


車両の入り口で車掌に切符とパスポートを預け、かわりにレストラン・チケットと個室寝台のカードキーを受け取った。パリからバルセロナまで約12時間の旅。これで深夜の国境越えの時、安眠を邪魔されることもない。今晩の宿は、エリプソス(Elipsos)のグランクラーセ、シャワー・WC完備の個室寝台個室、朝・夕食付。充実したサービス内容は、“列車ホテル”というネーミングに相応しく、アメニティグッズも飛行機のビジネスクラスか、デラックス・ホテル並みの充実ぶりだ。パリ・オーステルリッツ駅20時30分、いよいよ「ホアン・ミロ号」が出発する。
シーズン中、連日満席となるディナー予約は、グランクラーセの客が優先される。レストラン車両は、国際列車らしくスペイン語、英・仏語などがあちこちで飛び交い、年配のカップルやビジネス客などで常に賑わっている。スペインのスパークリング・ワイン、カヴァをサービスされた後、コースメニューの中からオードヴル、メイン、デザートをそれぞれ選ぶ。2010年は「聖ヤコブの大祭年」にあたることから、サンディアゴ・デ・コンポステーラ巡礼にちなんだ、ガリシア料理の特別メニューも味わえる。レストランの営業は深夜1時まで。ディナーを楽しんでいる間に、ベットメークを済ませてくれる。
バルセロナ・フランカ駅には、翌朝8時40分着。バルセロナは、サグラダ・ファミリアに代表される世界遺産のガウディの建築群など、フランスのアールヌーヴォーに影響を受けた、モデルニスムの美術・建築散歩が楽しい。また、五感通じて食事を楽しむヌエバ・コッシーナ(新スペイン料理)が、世界中の食通から最近、熱い注目を集めている。
